ブリッジ・オブ・スパイ/Bridge of Spies

監督:スティーヴン・スピルバーグ

主演:トム・ハンクス、マーク・ライランス

スピルバーグが監督、コーエン兄弟が脚本を勤めるアメリカの伝記ドラマ系映画です。

舞台は冷戦中の1957年のニューヨークブルックリン、画家を装った旧ソ連のスパイ、ルドルフ・アベルがFBIに目をつけられて、逮捕されました。裁判で裁かれる予定のアベルですが、裁判の公平性を演じるために、連邦裁判所のリン・グッドナフが連邦弁護士会に属するジェームズ・ドノヴアンにアベルの弁護を頼みました。普段は保険関係のケースを担当するドノヴァンは何年も刑事事件を担当しないので、断ろうとしたが、裁判は見せかけのもので有罪は決まっていると言われました。迷いがありつつも、ドノヴァンはアベルの弁護を引き受ける。アベルとの面会の際に、罪を認めて情報提供に協力するようにもちかけてみたが、アベルは断った。ドノヴァンは逮捕の現場とホテルを見に行くと、逮捕の確信となる証拠はなかったことに気づく。そして、開かれた裁判でドノヴァンは裁判長に逮捕の証拠がないこととアベルの人権を訴え、切り札としてアベルを生かしたことで、将来アメリカ人が逮捕された時の交換材料となることで説得を試みました。裁判長は説得され、アベルの死刑は免れた。そして、ドノヴァンは逮捕の証拠が無効であると信じて、今後も上訴しようとします。しかし、敵国のスパイを弁護したことで、マスコミが過剰にドノヴァンを攻撃するようになり、家族まで被害を受けそうになりました。この時に、アメリカ空軍基地からパイロットのパワーズが偵察機でソ連に情報偵察を遂行する任務の最中に、ソ連のミサイル攻撃を受けたことで、パワーズが捕虜となりました。パワーズは裁判で10年の禁固刑が言い渡されました。同時期に、ベルリンの壁の建設中に、アメリカ人留学生のプライヤーは東ドイツにいる恋人を連れて西へ逃げようとしたが、東ドイツにより拘束されました。ソ連はスパイのアベルを自国民だと認めたくないために、東ドイツを通して、パイロットのパワーズを拘留したことをアメリカに伝えてきて、アベルとの交換を持ちかけてきました。CIAはこのような事態を予測していたアベルの弁護を担当した民間人のドノヴァンに東ドイツへの同行と交渉を依頼しました。ドノヴァンは留学生のプライヤーの情報を知り、アベル一人でパワーズとプライヤー二人との交換を交渉することを決める。情勢不安定で危険の中でドノヴァンは一人で東ドイツに向かいました。パワーズ一人なら交渉に応じるが、二人との交換が難航していましたが、ドノヴァンはCIAの反対も押し切って、最後まで自分の条件を譲ることなく、拘留された二人のアメリカ人の身柄の救出に成功しました。この交渉が成功したことがアメリカで大きく報じられました。

ヒューマンドラマの帝王と言っても過言ではないトム・ハンクスの演技と、監督と脚本の優秀さが全て揃った一作です。本来大変複雑なストーリーですが、抵抗なくすんなり見ることができました。アクションのような過激なシーンはないものの、最後まで息をのみながら楽しめるスリリングさはアクションに負けません。アベルは自国を裏切っていないものの、自国に渡されたら信用を取り戻すことなく殺されるではないかと示唆されたことが戦争の理不尽さと無情さを物語っていました。最後にアベルとドノヴァンの間に芽生えた淡い友情が程よい切なさを残しました。映画作品として申し分はありません。


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