ゴッド・タウン 神なきレクイエム/God’s Pocket

監督:ジョン・スラッテリー

主演:フィリップ・シーモア・ホフマン、リチャード・ジェンキンス など

アメリカ、フィラデルフィアの荒廃した労働者階級の町ゴッズポケットが舞台。再婚を機にこの町に引っ越してきたミッキー(フィリップ・シーモア・ホフマン)は表向きは肉屋さんの配送仕事をしていますが、生計を立てるために友人のバードとトラックを強奪したりするなど軽犯罪をして、日銭を稼いでいる。ミッキーの再婚相手ジーニーの連れ子レオンが工事現場働く時に、黒人の老人を軽蔑する発言が激しく、黒人に殺されました。しかし、工事現場の人達はレオンの行き過ぎた言動を嫌って、老人労働者への同情もあって、誰も警察に本当のことを言いません。家族は事故死だと知らされました。労働者が集まるバーで知人達がレオンの葬儀のためにお金を集めてくれましたが、ミッキーの一念発起でそのお金をなんとギャンブルで無くしました。ミッキーはお金のために奔走する。妻のジニーは息子の死が腑に落ちなくて、誰も頼れないので、訪ねてきた新聞記者(リチャード・ジェンキンス)に調べてほしいと頼む。新聞記者がセクシーで魅力的なジニーに一目惚れをして、二人は浮気をしてしまいます。ミッキーのお金の目処がつかず、冷たい葬儀屋がレオンの遺体を外に出す。ミッキーが遺体を自分の肉配送車に入れるが、交通事故により遺体が道路に転がってしまいます。

名優フィリップ・シーモア・ホフマンの最後の作品です。本作は本当に彼無しでは成り立たないほど、ピッタリでした。時空系列で登場人物のそれぞれのストーリーが展開されていくテイストは、同じく彼の作品の「その土曜日、7時58分」と似ています。中年太りの冴えない男だが、セクシーな妻をとても大事にしていて、妻の家族に嫌われても我慢するミッキー、楽しみはバーで飲むこととギャンブル。ギャンブルで大事なお金を無くすやるせなさ、フィリップ・シーモア・ホフマンしか出せない味があります。仕事よりお酒と若い女の子に興味がある新聞記者は彼なりの孤独さがあったでしょう、名優のリチャード・ジェンキンスはこのとても人の為に役に立てると思えないおじいちゃんなのに、ジニーへの一目惚れの情熱の凄まじさのギャップを好演しました。ミッキーの友人のバードは強盗犯を殺し、夫婦で逃亡、お金に無心な葬儀屋は町の嫌われ者、そもそも侮辱された黒人労働者に無知で若いレオンは殺される、この町一人一人が孤独を抱え、悲劇が訪れる。彼らの生き方と思想では改善のしようがない、できることはバーで飲んで騒ぐこと。神はこの町のことを忘れたでしょうか。本作ではその縮図がよく見えました。

本作の監督ジョン・スラッテリーはなんと数々の映画とテレビドラマに出演した俳優です。「セッスクアンドザシティ」のシーズン3でキャリーの議員彼氏役の人、ちょっと信じられなかったですね。


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