わたしを離さないで/Never Let Me Go

監督:マーク・ロマネク

主演:キャリー・マリガン、アンドリュー・ガーフィールド、キーラ・ナイトレー

原作:カズオ・イシグロ

日系イギリス人作家カズオ・イシグロの同名小説を映画化したイギリス映画です。2010年に公開され、イギリスとハリウッドで評価された一作です。

ストーリー

主人公キャシー(キャリー・マリガン)が介護人として働く日々の朝のシーンで開幕したが、多くのストーリーは過去への回想です。1978年のシーン、キャシー、トミー(アンドリュー・ガーフィルド)とルース(キーラ・ナイトレー)とその他大勢の幼い子供達が郊外にあるヘールシャムの寄宿学校。この学校は規則が大変厳しく、外界とは完全に遮断されています。そして、皆で絵や詩の創作をして、マダムのギャラリーに送られることや、必要以上に子供達の健康診断が行われることなど、いくつも普通の子供生活と違う奇妙な場所です。子供達は外界に適応できる能力もなく、お買い物の練習などをさせられます。その中でもトミーは少し発育が遅れる子で、キャシーに優しくされ、お互い気になる存在になっていました。それを知った勝ち気のルースはトミーが好きと言い出し、しばらくしたら二人は付き合うようになりました。ある日、新しく来たルーシー先生は皆を集め、「あなた達はここでしか生きたことがないが、これからの人生は他人に臓器を提供することで活かされ、だいたい3、4回の手術であなた達の短い人生は終る」、「あなた達が思っているオリジナルは自分の本当の親である」ことを告げる。ルーシー先生は校長にやめさせられます。18歳になった3人は学校を出て、コテージでの生活が許されます。コテージでの生活は普通の人達の生活に近いですが、彼らには全てが新鮮で楽しくなりました。そして、恋人同士が真剣に付き合っているなら、移植手術が免れるとの噂を聞いたルースは自分とトミーが真剣に付き合っていると主張し、かつて絵画を送ったマダムを探そうとします。孤立を感じたキャシーは介護人になるプログラムに参加することを決め、トミーとルースと決別して、暮らし始める。キャシーは優秀な介護人となり、手術をして亡くなる人々を見送り続けている中、一度の手術が終ったトミーと再会しました。トミーはずっとキャシーのことを思ってくれて、キャシーもずっとトミーが好きでした。やっと両思いになった二人は同じように手術を受けたルースに会いに行き、死ぬ間際のルースは海に行きたいと言います。そこでルースが自分がトミーとキャシーの仲を嫉妬したせいで二人を別れさせたことを謝る、そして本当に両思いの二人に、マダムの連絡先を渡した。トミーは自分が書いた大量の絵画を抱え、キャシーと一緒に生きる最後の希望にマダムを訪ねる。そこでヘールシャムの校長も一緒にいて、「猶予」ルールなど存在しないことが告げられる。トミーは再度の手術後に亡くなりました。「私達と私達が救った人達の間、違いはあるのでしょうか、生きるとは何でしょうか」との思いでトミーを見送ったキャシーにもついに手術の通知が来ました。

雑感いろいろ

SF小説の現実離れの設定とはいえ、これほど悲しいストーリーは近年見たことがありません。普通に朝の出勤準備をするキャシーや、若者数人で町に出かけるシーンも、暗くてどこかもの悲しげ。役者たちの表情でしょうか、絶望感を抱えながらも今日という1日を行きていかないといけません。それに反して、若者達の顔は実に楽しそうで、そんな未来が来ることを一時的に忘れていたかもしれません。普通のことがそんなにも楽しみ、それは既に異常で切ない。どうしてそんな理不尽がことが起きるのか、作品に出てくる彼らの「オリジナル」についての描写から、おそらく彼らは犯罪者や娼婦、薬物中毒者の孤児であることが推測されます。それだけで生きることを奪われる彼らの人生は、救われる人との差はいったいなんでしょうか。機会があればぜひ原作を読んでみたいです。


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